以前は、三線を弾いて歌うだけでなく、例会の中で様々な“講座”を開いていました。
例えば、当真さんの「島唄講座」、柴田さんの「琉舞講座」などがありました。
中でも、長期にわたって続けられたのが、胤森弘さんの「ウチナーグチ講座」でした。

胤森さんは広島在住の沖縄語の研究者で、「中国語、朝鮮語資料によって沖縄語の音韻の歴史的変化を研究する市井の学者」(清水浩 2011 『たんめーのウチナーグチ講座』「編集を引き受けて」より引用)でした。つまり、中国や朝鮮の文献にある沖縄語の発音についての記述に基づいて、沖縄語(ウチナーグチ)の発音が時代とともにどのように変化していったのかを30年以上にわたって研究してこられた方です。
あるきっかけから、胤森さんを三線クラブにお招きして、島唄の歌詞解説をお願いすることになり「ウチナーグチ講座」が始まったのが1996年7月でした。それ以後2007年4月まで、10年以上にわたって毎月1回ほぼ休むことなくこの講座は続けられました。
残念ながら胤森さんは2007年9月に永眠されましたが、講座のために書きためられた資料は清水浩さんによって編集され、『たんめーのウチナーグチ講座 しまうた理解のために』として刊行されました。
今年は、胤森さんが亡くなって10年の節目にあたります。
ひろしま三線クラブでは、胤森さんを偲んでささやかなコンサートを開きます。
かつて、胤森さんと親交のあった方々が集い、唄とおしゃべりで思い出を語ります。
出入り自由の気軽なコンサートですので、どうぞご参加ください。
〔胤森弘さんを偲ぶコンサート〕
日 時:2017年9月9日(土) 19:00頃~21:00
場 所:広島市東区民文化センター 3階大広間
参加費:500円
胤森 弘(たねもり ひろし) 1925年広島県生まれ。2007年9月18日没。 主な著書 『近世方言辞書 第6輯 琉球館訳語/琉球訳』(共著、2000年 港の人)。主な論文 「沖縄語における破裂音(ki)から破擦音(ci)への史的考察」(1984年)、「『使琉球録』における『夷字附』と『夷語附』の表記音の矛盾について」(1985年)、「沖縄語の特徴的な音変化について」(1987年)、「『琉球館訳語』の成立時期について」(1993年)、「『琉球館訳語』の成立時期は<15世紀初>に非ず」(1997年) |
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